Scene :: 1 - 1

電車から降りて暗い駅のホームに出ると、そこは驚くほど小さく、寂れた無人駅だった。頼りない電灯がかえって暗さを際立たせ、空気は異様に生暖かい……

Dice roll

<共鳴判定:強度1/上昇1>

∞共鳴感情:[ 恐怖(情念)]
感情マッチング『真人 ダイス × 2』

順平
D10 → 9(失敗)

真人
D10 → 6(失敗)
D10 → 4(失敗)
順平:D10 → 9(失敗)
真人:D10 → 6(失敗)/ D10 → 4(失敗)

真人 こんなに小さい駅、初めて見た!
ねーねー、順平!
あっちの暗い所とか、いかにも怪しそうじゃない?
順平 (怪異の怖さよりも、真人さんの可愛さだ!)

しかし、真人の幼い好奇心の前に不気味など無意味・・・っ!
真人に心酔する順平の前でも可哀相なほどに無意味・・・っ!

順平 スマホのライトでよければ、照らしてみましょうか?
真人 うん、お願い!
順平 じゃあ、早速……

順平はスマートフォンを取り出し、すぐに画面の異様に気がつくだろう。
時刻の数字は謎の記号に置き換わり、電波のマークはモザイクと化して蠢いている。アプリ名も殆どが文字化けしており、アイコンの図柄から辛うじて元が分かる有様だ。

順平 …………
…………えっ
真人 ん? もしかして、ライト壊れた?
順平 いえ……見たことないバグに少し驚いて……
真人 あー……これは酷いね。
スマホがやられたって事は、外界との接触を断ってくるタイプかぁ。
順平 通信に関係ない機能は無事だといいんですけど。
ライト、点くかな……

祈るような気持ちで操作すると、文明の利器が暗中に光を灯す。
すると、ちょうど光が当たった場所に先客の姿が浮かびあがった。



駅名看板に携帯電話の光をあてて眺めている、一人の女性。
怪異の仕業だろうか。真人がはしゃいでいても気付かなかったようだ。

女性 こんばんは。
電車の中で寝てらした、リア充カップルさんですよね?
真人 りあじゅう?
順平 い、いや、あの……
違います……
女性 あんなに仲良くくっ付いて寝ていたのに。
「リア充爆発しろ!」なんて思っちゃったんですよ、わたし。

ふたりが目覚めて話せるようになった事が嬉しいのだろう。
女性は表情を安堵に和らげ、再び駅名看板を照らす。

女性 ところで……お二人は、ここがどこか分かりますか?
看板には『きさらぎ』って書かれてますけど ――【きさらぎ駅】なんて駅、ありましたっけ。
真人 (…………)
(怪異の中にいるせいか、この人間が “どっち” か判別出来ない)
(少し、観察してみようかな)

Dice roll

<女性を調べる>

推奨技能
『*調査』『*知覚』

真人
*調査
D10 → 4(成功)

成功数:1 シングル/通常成功
真人 *調査:D10 → 4(成功)

成功数:1 シングル/通常成功

さり気なく観察を始めた真人の視線は、一際明るい手元に向かった。
注視すれば、真人には馴染みの薄い二つ折りの機械がそこにある。
フィーチャーフォン ―― 所謂ガラケーだ。

真人 お姉さんのスマホ、順平のと違う形してるね。
あ、スマホじゃなくてガラケーって言うんだっけ?
女性 えっと……? まあ、何の変哲もないケータイですけど。
真人 ふぅん……
真人 ねえ、お姉さんのケータイもバグってたりする?
順平のスマホの画面、文字化けまみれで困ってるの。
女性 わたしの方は、困るほどの文字化けはありませんね。
ですが、これもバグ……なのでしょうか。
電話が繋がらなくて、メールもエラーで返ってきて……

着眼点と問い掛けが良かったのか、思いがけず情報が得られた。
この怪異の影響下では、電話とメールが機能しないらしい。
外部との通信を諦めるか否かが真人の脳裏を過った時……まるで奇跡を語るかのように、女性の声のトーンが明るくなった。

女性 でも、インターネットだけは無事だったんです!
ネットの掲示板やホムペが普通に閲覧できるんですよ。
文字化けも無くて……ほら、見てください!

女性から巨大匿名掲示板の表示された画面を見せられる。
確かにインターネットは問題なく繋がるようだが、真人が知るガラケーよりもずっと小さく荒い画面が見辛くて仕方がない……女性はかなり年季の入った古い型の物を使用しているのだと気付くだろう。

真人 (昔の映画に出てきたガラケーの先祖と同じじゃないの、これ)
(古臭い物をありがたがって使う人間っているけど……)
真人 (こいつが人間かどうかは、まだ置いといてよさそう)
(いざとなれば殺せばいい。人間も怪異も関係なく、ね)
(それよりも ―― )
真人 ありがとう、お姉さん!
嬉しい情報だよ。ネット、試してみるね!

真人が女性と話す一方で、順平は【きさらぎ駅】について記憶を探る。

順平 (【きさらぎ駅】)
(どこかで……いや、誰かから……?)
(聞いた事があるような、ないような……)

Dice roll

<きさらぎ駅の情報>

推奨技能
『*調査』『*知識』

順平
*知識
D10 → 3(成功)

成功数:1 シングル/通常成功
順平 *知識:D10 → 3(成功)

成功数:1 シングル/通常成功

順平 (そうだ! 虎杖君から聞いた都市伝説だ!)
(元オカルト研究会って話の流れで ――)

そして、それがどのようなモノであったのか思い出す事に成功する。

「きさらぎ駅は、存在しない駅なんだ」

2004年頃、インターネット掲示板を賑わせた実況があった。
『きさらぎという駅に迷い込んだ』という人物による怪奇体験の実況だ。
不穏な状況の中で途絶えた書き込みを最後に、消息を絶ったその人物が残した数々の騒動を発端とした都市伝説 ――【きさらぎ駅の都市伝説】は、時を経た今も尚まことしやかに語り継がれている……

……と、順平の友人が語っていた。存在する記憶に間違いはない。

順平 (呪いと関わった今、『ただの都市伝説だった』なんて無視出来ない)
(当時の出来事も、怪異が引き起こしていたのかもしれないから)
順平 真人さん、お姉さん……
きさらぎ駅という都市伝説を知っていますか?
同じ名前のこの駅と、何か関係があるかもしれません。
真人 都市伝説?
真人 (……なるほど、興味深いね)
真人 なにそれ!
すごい手掛かりっぽいじゃん! 順平ー、教えてよー!
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